10年近く前に中国の黄河を見に行った時のことですが
北京に留学していた妹から遊びに来ないかと誘われて私が中国に行ったのは、今から10年近く前のことでした。北京は疲れるほど広い街で、毎日足が棒になるほど歩きまわりました。どれほど広いかといえば、妹の学校内にある学生寮から学校の敷地の外に出るだけで10分近くかかるのです。
ある日私たちは黄河を見に行きました。黄河は北京から500キロほど南を流れているので夜行列車を利用しました。中国の夜行列車はベッドが3段になっていました。上のベッドは天井が低いので正座するのもきついとか。私は下のベッドで寝ましたが、電車の車輪の音がうるさくてあまり眠れませんでした。
朝に目が覚めて窓の外を眺めていると、上から妹の声がしてもうすぐ黄河が見えると教えてくれました。外をずっと見ていると、灰色と黄色のほこりで汚れたような風景が途切れ黄色く濁った川が見えました。テレビでしか見たことのなかった黄河は想像していたよりも幅がせまく、ちょっと拍子抜けしました。
ホテルに荷物を預けて黄河の遊覧地区へ向かいました。市内から1時間半ほどバスに乗りましたが、バスの料金が驚くほど安かったのを覚えています。バスを降りてまっすぐ歩いていくと、黄河が見えて数人乗りの遊覧用ボートが泊まっていました。看板には料金が書いてあり、妹が通訳してくれた話によるとそれは公務員の仕事なので料金は割引きできないのだとか。
結局は首を横にふり続ける私を見て、その公務員のおじさんは料金を安くしてくれましたが。
ボートに乗る前にオレンジ色の救命胴着を渡されました。けれどもそれはとても薄っぺらいもので、もしボートが沈んだらその胴着では助からないだろうと思いました。ボートに乗って黄河を進む私の頭の中には、「日本人観光客2人水死」という新聞のタイトルが浮かんでいました。しかし黄河を見てみると水深が深くないようでしたので、もしかするとボートが転覆しても溺れなかったかもしれません。
黄河文明をはぐくんだ黄河の水は黄色く濁っていました。手を水につけてみると、黄河の水は意外とぬるかったです。