アイルランドの伝説の聖地「タラの丘」に立ちたくて
アイルランドがどこにあるのか分からない人は多いでしょう。アイスランドと勘違いされることもしばしばあります。ですからアイルランドに行ったことがあると話すと驚かれます。用事がない限り私でもアイルランドまで行こうとは思いませんので、その時の私は少し変わっていたのか勇気があったかのどちらかでしょう。
アイルランド旅行の目的はタラの丘を見ることでした。タラと聞くと『風とともに去りぬ』でスカーレットが心のよりどころとしていたタラが思い出されます。映画の最後のシーンでスカーレットが黒い土を手に握って「タラ」と言ったのが印象的でしたね。あの話ではアイルランド人だった主人公の父親が自分の土地をタラと名づけたのですが、アイルランドには実際にタラの丘と呼ばれる場所が存在します。
あまり知られていませんが『風とともに去りぬ』には『スカーレット』という続編があります。『風とともに去りぬ』の作者はこの話には続編はなくてこれで終わりだと言ったそうですが、彼女の子孫が続きの話を募集し、アレクサンドラ・リプリーさんが書いた『スカーレット』が続編に決められたそうです。
ちなみにこちらはスカーレットがアイルランドへ渡り大成功をおさめるという内容で、『風とともに去りぬ』よりもスカーレットを精神的に大人に成長させた話です。
さてタラの丘は伝説上の王の住まいがあったとされていて、アイルランドの人々にとって精神的な場所となっています。でも行ってみるとただの草の茂る小高い平原でした。古墳のようなお墓が少しあり、中心には石碑のような石が立っていました。
私がそこを訪れた日はあいにくの雨でした。霧で遠くが見えず、周りの景色も見えませんでした。歩きまわると雑草についた雨水のおかげで、私の靴もズボンもぬれていきました。しかしアイルランド人の聖地ともう言うべきタラの丘は、ぼうっとかすむ風景の中でより神秘的に感じられました。
晴れた日にこの丘に立てば、ずっと遠く向こうまで見わたせるそうです。けれどもタラの丘の伝説的な姿を見たいならば、神秘的なベールに包まれる雨の日こそがふさわしいように思います。